これはどこにでもいる日陰OLがYouTuberになり、収益化するまでの物語(ノンフィクション)

《プロローグ》

2019年、人口約1億2633万人という人口減少の著しい日本に、氏がない普通のOLがいた。

名前はまだない。

彼女は見た目は普通のどこにでもいるOLであったが、彼女には秘めているものがあった。

それは心の中におじさんが住んでいるということだ。

彼女は争うことや面倒ごとを嫌う。正直、他人に興味はない。

なるべく平和に、なるべく目立たず生きていきたい、干渉されたくない。と感じていた。

そのため、なにか言いたいことがあっても心にフィルターをかけ、本音をストレートに吐かないよう、誰も傷つかぬよう、争いが起きぬよう、言葉に気を付け、心の中のおじさんをしまい込んでいた。

それは息苦しいが、この社会で平和に生きていくためには必要なことだった。

おそらく皆そう。

彼女だけではなく、この世界(日本)で生きるほとんどの人がそうやって生きているのであろう。

だからこそ、人の心は読めない。

人が何を考えているか、何を感じているか、

どんなに想像しても、想像の範疇を超えることはない。

だから彼女はその人が言った言葉そのままを受け取り、信じるしかないと思った。

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昨今SNSの普及により、一般人でも自分を表現するようなツールが数多く存在している。

Face book、twitter、Instagram、TikTok、Vine等々。

だれもが気軽に写真や動画を発信できる。

中には芸能人並みにフォロワーを集めるほど、有名な人も多数いるようだ。

また、会ったこともない名前も顔も知らない人同士、交流ができる。

しかし彼女は自分を発信することに全く興味がなかった。

なぜなら目立つことも干渉されることも嫌うからだ。

自分の言葉や行動を発信することに価値を見出せないし、その時間も無駄なこと。と感じていた。

これは、そんな彼女がYouTuberになって、収益化するまでの物語。

《第一章》

第一節:YouTuberになると決めた日

彼女には絶対に成し遂げると心に誓う目標があった。

その目標達成の一つの手段(プロジェクト)として

「YouTubeやってみようかな。」

と思ったことがこの物語の始まりとなる。

YouTubeとはアメリカ合衆国・カリフォルニア州サンブルーノに本社を置く、世界最大の動画共有サービス。

Youは「あなた」、Tubeは「ブラウン管(テレビ)」という意味である。

YouTuberは一つの職業となり、今や子供の憧れの職業ランキングで上位に入る。

そんなYouTubeは昨今規制も厳しくなってきており、

チャンネル登録者数1000人+再生時間4000回再生を1年以内に達成して、やっと収益化する。

「むずかしいな...。」

今まで注目を浴びようとか、情報を発信しようと思ったことがなかった彼女には

それがとても大きな壁となった。

「批判もあるかもしれないが、普段思っている本音を発信していこうかな...。」

と彼女は考えた。

さらに

「顔出しはしたくない...。」

そう思った彼女は、仮面をつけるか、バーチャルユーチューバーになろうか、顔から下だけにするか…等と考えた。

「顔も晒さず、言いたいことだけ言う。」

「こんなチャンネル見る人いるか?」

「というか、まず存在を知ってもらわないと!」

そう思い、彼女は次の行動に出た。

第二節:ライブ配信開始

まず、存在を知ってもらわないと!と考えた彼女は、ライブ配信なるものを始めることにした。

聞いたことはあるが、あまり内容はよくわからない。

調べてみると大手から新規参入まで様々な種類のライブ配信があることが分かった。

ライブ配信とは、YouTubeのように編集し投稿する動画と違い、パソコンやスマホのカメラで映したそのままを流す、テレビでいう生放送のようなものである。

配信者は、その場で起きている「瞬間」をみんなへ伝えることができ、視聴者は
チャットのようにメッセージを送ることで、配信者とコミュニケーションを取ることができる。

視聴者はコメントやスタンプを送ることで、見たことについての質問や感想を瞬時に伝え、コメントを読んだ配信者が質問に答えたり、感想に対してのリアクションがとれる。

ライブ配信は、見ている人からの反応が即座に返ってくる、即時性と双方向性があるコミュニケーションの新しい形であり、子どもから大人まで多くの人たちが利用している。

様々なライブ配信アプリがある中で、どれがいいのか分からなかった彼女は、ランキングを検索し、その中で3つほど登録してみた。

初めてライブ配信したのはLiveLiveという配信アプリだった。

名前は「小松菜の本音」

ライブ配信初日は、「小松菜」の誕生の日でもあった。

ラジオ配信として顔は出さず、声だけ。アイコンはアニメ風画。

そんなアカウントにコメントをくれた方が一人。

とても優しくて穏やかな女性の方だった。

その方は「本音」という部分に興味を持ってきてくれたそうだ。

30分くらいお話をして、その日は終わった。

とても緊張した日だった。

しかし、人の優しさに触れ、また頑張ろうと思えた小松菜であった。